低出生体重児


 
低体重出生児は、在胎週数が短く、角質層が極端に薄いため、外的刺激からの防護力が非常に弱い状態です。
そのため、少しの刺激で簡単に傷ができ、バリア機能が未熟であることから、微生物が侵入しやすくなっています。
さらに、乾燥しやすいことや、保育器での高温多湿といった環境で皮膚トラブルが起こりやすい状況です。
そこで、低体重出生児の肌トラブルを予防できる適切なスキンケアとして有効であるかを検証するため、ソープとシュガースクラブを比較使用した実験を実施しました。
 
 
対象:NICU(新生児集中治療室)、GCU(継続保育室)で36週を経過後、コット(新生児用ベット)移床した新生児
 
目的:低体重出生児のバリア機能、ストレス軽減効果の検証
 
期間:2012年10月〜2013年3月
 
 
実験:
1 ベビー石鹸を使用するソープ群
 
2 シュガースクラブを使用するスキンケア群
38℃の湯に2分程入浴し、その後、シュガースクラブで軽くマッサージし、シャワーで流す簡単なスキンケア
 
ソープ群6名、スキンケア群8名を入浴前後10分で皮脂量、唾液アミラーゼを測定
 
 
結果:
1ソープ群
対象児全ての皮脂量が減少
 
2スキンケア群
対象児全ての皮脂量、皮膚温が有意に上昇
 
 
皮膚トラブルの要因が多い低出生体重児に置いて、シュガースクラブによるスキンケアは、皮脂量の増加、バリア機能を高める効果があると考えられます。
 
さらに、シュガースクラブの使用後、低出生体重児の皮膚温が上昇していることから、体温調節脳が未熟である低出生体重児の体温管理にも有意であることが分かりました。
 
シュガースクラブは、沐浴の際、お湯に溶け込んでいき洗い流す必要がありません。そのため洗浄する時間が短縮され、低出生体重児の負担の軽減にも繋がります。
 
 
 
 
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※本研究では、株式会社アビサルサルジャパンの「シュクレ シュガーリングマッサージ」を保湿洗浄剤として使用しています。
※学会誌ではシュガースクラブと表記。