乾燥肌

 
乳幼児の皮膚は、角質層が薄く、バリア機能が低いので皮膚表面は容易に傷つきやすい状態。また、雑菌などによる感染リスクがあり、皮膚トラブルを起こしやすくなっています。
スキンケアの基本は清潔と保湿が重要。
そこで、特に、角質層が薄く、皮脂量がほとんど分泌されない2歳以下で、皮膚にトラブルのある乳幼児を対象に、適切なスキンケアとして有効であるか、また保湿効果ならびに皮脂量の増加によるバリア機能効果を検証するため、保湿洗浄剤を使用した試験を実施しました。
 
 
対象:皮膚にトラブル(汗疹、痒み、臀部の発赤やただれ、湿疹、掻き傷)などのある乳幼児(0〜2歳)32名
 
目的:スキンケアによる皮膚トラブルの予防と保湿効果検証
 
場所:S保育園の沐浴室・シャワー室、H大学看護学部母性・小児看護学実習室
 
期間:2010825日〜9月〜7
    2010925日〜107
実験方法:保湿洗浄剤でのスキンケア前後30分の水分量、弾力値、皮脂量を測定、全身の皮膚の状態観察を行う。
測定部位は、頬部、胸部の二ヶ所。
1ヶ月家庭で使用してもらい、入浴前と入浴後30分のデータを再度収集する。
 
38℃の湯に2分程入浴し、その後、保湿洗浄剤で軽くマッサージを行いシャワーで流すという簡単なスキンケア)
 
 
結果:0歳、1歳、2歳児の初回のケア前後の水分量、弾力値、皮脂量の比較では、ケア後に水分量・弾力値、皮脂量ともに有意に上昇。
特に皮脂量の増加は、頬と胸部ともに水分値・弾力値より高い結果で上昇を示しました。
また、1ヶ月と長期使用による肌状態の観察から、乾燥肌やただれなど、傷ついた皮膚の改善がみられました。さらに、アトピー性皮膚炎と診断され、ステロイド軟膏を使用していた3人の乳幼児は、軟膏を使用しなくても良くなったほど改善。
保湿洗浄剤によるスキンケアは、皮膚トラブルの改善と予防に有効であり、保湿効果とバリア機能効果に優れていることが示唆されました。
 
 
 
 
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学会誌 乳幼児のスキンケアに関する研究
学会誌 乳幼児のスキンケア継続研究
研究報告書 乳幼児スキンケアに関する研究
研究報告書 乳幼児(0〜2歳)のスキンケアに関する研究
※本研究では、株式会社アビサルサルジャパンの「シュクレ シュガーリングマッサージ」を保湿洗浄剤として使用しています。
※学会誌ではシュガースクラブと表記。